排卵前の2週間で卵胞は成熟しきれないので、主席卵胞(グラーフ細胞)ができず排卵が起きにくいのです。
月経周期も長くなり不順になったり無月経になったり。血液検査をすることで、ホルモンバランスの乱れが判明します。
通常は卵胞期初期ではFSH(卵胞刺激ホルモン)もLH(黄体刺激ホルモン)も数値は一桁代でFSH>LHの関係です。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の方は、LH>FSHの逆転現象が多くみられます。
いつまでも排卵が起きないと、卵巣の一番外側の白膜が厚くなり余計に排卵しにくくなります。
高アンドロゲン血症により、排卵障害、子宮内膜形成不全、白膜の肥厚と自然妊娠に不利な条件が揃います。
漢方の世界ではどのように考えるのか?
【1】瘀血(おけつ)血流の悪さ
ただでさえ、卵巣の膜「白膜」が肥厚し排卵しにくい状態です。元々抱えている冷え、生理痛、運動不足、ストレス、栄養の偏り、巡らせる血が足りない貧血などあれば悪循環です。
生理期から活血化瘀薬を使います。
【2】余分な老廃物を抱えやすい痰湿(たんしつ)
日頃の間食、こってりした食事、不摂生や水分の摂り過ぎで、溜まった湿が痰湿へと変化し卵巣内に溜まりやすくなります。
漢方生薬では化痰・利湿作用のあるシベリア産生薬をメインに処方を使います。
【3】腎虚(じんきょ)
いつまでも無排卵状態が続けば卵巣機能の低下にもつながります。腎虚とは妊孕性の低下した状態のことをいい、補腎薬系で卵巣機能をサポートします。
何故、不妊症や排卵障害と関係してくるか?
これらの原因となるアンドロゲン(男性ホルモン)が高い、高アンドロゲン血症の多くはインスリン抵抗性の結果として生じます。
PCO(多嚢胞性卵巣)の原因にもなりうるし、PCO(多嚢胞性卵巣)になった結果、高アンドロゲン血症にもなります。
アンドロゲン(男性ホルモン)の高値の状態が続くと、LH(黄体形成ホルモン)も常に高値となることがPCO(多嚢胞性卵巣)の原因になるという説もあります。
漢方専門西山薬局では、食生活を含めたライフスタイル改善の提案と化痰薬・活血薬・補腎系漢方薬を周期や不妊治療に合わせて提供させていただきます。
自然流産の発生頻度は意外に高いもので10~15%ですが初期流産のほとんどは胎児側に原因があるものだといいます。
しかし流産を繰り返すことは体に大きな負担となります。
中医学(中国の伝統医学)では流産を「小さなお産」と古くから考えており産後と同じような養生が必要です。
流産後、まずはゆっくりと体を休ませ少なくとも半年以上インターバルをおきましょう。
今抱えているお腹や下半身の冷え、生理前の不快な症状(乳房や下腹部が張る)、生理期にレバーのような経血の塊がでるなど生理周期毎に起こる不快な症状を次の妊娠までに漢方と鍼灸治療で改善していきましょう。
「乳房の張り」は妊娠前からですか?流産後からですか?
PRL:プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)が高いと思われますので断乳のときに使う漢方処方や生薬を使った方が良さそうです。
流産しにくい丈夫なカラダづくりにおすすめの養生法は漢方薬や鍼灸治療を生理周期に応じて使い分ける「不妊周期調節法」です。
月経期は古い子宮内膜をスムーズに排出させる活血薬と理気薬を使い、卵胞期は質の良い卵子と子宮内膜をつくる時期で補血薬と滋陰薬を併用します。
排卵期は気と血の巡りをスムーズにして、高温期へ移行する時期で活血薬と理気薬を再び使うか鍼灸治療を行います。
黄体期は子宮を温めながら受精卵を着床・養育できる環境を整えるために補陽・補腎薬を中心に使います。
このように月経周期に合わせて漢方を使い分ける
「周期調節法」は、近年高い成果が期待できる改善法として確立されています。流産を繰り返している方、不育症と診断された方は漢方薬を続けることをおすすめします。
妊娠中の胎児をしっかりと安定させるのは「腎(じん)」の役割です。
同時に飲食物をしっかり消化吸収して赤ちゃんを養い栄養を生み出す「脾(ひ)」の力も大切です。
腎(じん)や脾(ひ)の役割を高める漢方生薬には古くから安胎・養胎薬も多くありますので、ご安心ください。
原始卵胞から卵胞が大きく成長し最終的に卵子が排卵されるまで180日かかるといわれております。じっくり時間をかけて養生しましょう。
薬局で不妊症に悩む方をメインに相談をさせていただいていますが、70%以上の方が6時間未満の睡眠不足。
加齢とともに、眠れなくなるのは当り前ですがヒトは熟睡している時に成長ホルモンをはじめ、卵胞刺激ホルモンや女性ホルモンなどの生殖に関係するホルモンも分泌のピークを迎えます。
日中、お仕事や家事、スポーツを楽しんでいるときは、筋肉などに血液を必要とし、消化管や生殖器には睡眠時ほどは血液が回ってきません。
逆に熟睡時は、筋肉にさほど血液は必要とされず、消化管や生殖器に供給される血液量は増える。
さすがに一日10時間は寝れませんが、理想の睡眠時間は昔も今も変わらず7~8時間といわれています。
東洋医学に救いを求める方の多くは睡眠時間がとれていないところ。
卵の育ちが悪ければ、女性ホルモンの分泌量にも影響があります。
子宮内膜が薄くて、頸管粘液(オリモノ)も少ないと感じるなら、夜はたっぷり寝てください。
仕事が忙しい方は、朝、暗いうちに仕事に出かけ日中は会社の中。夜、真っ暗になって帰宅のパターンでしょう。普通なら寝ている時間に強い光を浴び続けることになります。
ヒトは朝日(紫外線)を浴びて体内時計をリセットします。リセットすると眠りを促すメラトニンというホルモンを抑制。
すると14~16時間後にまた分泌されて眠くなるというリズムがあります。
ところが、夜更かしして部屋の照明やテレビ、パソコンなど強い光に曝されるとメラトニンの分泌は減ります。当然、眠くなるはずもなく、段々と睡眠リズムが乱れ、寝れなくなってくるわけです。
「シンデレラタイムに卵胞や精子は育つ」と何度も聞いたことがあると思います。
夜型の生活が続くと排卵障害や卵胞発育不全になりやすいのです。
ただでさえ、加齢とともにメラトニンの分泌量は減ります。不妊治療が長期化したり、加齢がネックとなると病院からメラトニンのサプリを勧められるのも納得できるはずです。
妊活の基本は早寝早起き。
あなたも朝日を1日5分でいいから浴びることを日課にしませんか?
漢方では、補腎薬を中心に補血薬と眠りの質を助ける疎肝薬、そして活血薬を周期に応じて飲み分けることがサポートとなります。
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